海外介護事業

平成30年7月より、主に中国を対象に、介護職種の関係機関と連携しながら、研修事業の委託、講師の派遣等を行っています。この事業は福祉人材育成の充実を図る為、国際的交流を通して福祉サービスや社会福祉関係者との連絡調整や活動支援、教育活動に取り組むことを目的としています。

その国や地域にあった在宅福祉支援の大切さを学びます

これまで行った研修の事例

「リハビリフラダンス 筋膜リリース」

講師:塚本 沙代子 氏
フレンズ代表

ハワイの伝統的なダンスであるフラダンスを、運動などに活用する取り組みです。特に高齢者や、身体機能に何らかのテーマを抱える方を対象に行われることが多く、心身両面への様々な効果が期待されることを説明します。
また、ハワイアンミュージックの穏やかなリズムと、優雅な動きは、リラックス効果が高く、心身のリフレッシュやストレス軽減にもつながります。

「回想法」

講師:小谷 超 氏
氷見市博物館館長

過去の出来事や思い出を語り合い、それによって精神的な安定や認知機能の維持・向上を図ることを目的として説明します。
回想法では、楽しかった経験や活躍していた頃の思い出を語ることで、自身の存在意義を再認識し、自信を取り戻すことができます。話を聴いてもらうことで、「自分の話を聴いてもらえている」という満足感も得られ、さまざまな効果が期待できます。

「ICF (国際生活機能分類) 」

講師:川廷 宗之 氏
一般社団法人 職業教育研究開発推進機構代表

ICFは、正式名称を**International Classification of Functioning, Disability and Health(国際生活機能分類)**といい、2001年5月に世界保健機関(WHO)によって採択された、全ての人々の健康状態と関連する生活機能障害について、体系的に分類するための枠組みです。
従来の障害分類(ICIDH:国際障害分類)が「障害」というマイナス面に焦点を当てていたのに対し、ICFでは**「生活機能」というプラスの側面**にも着目し、障害をその人個人の問題としてだけでなく、生活環境との相互作用の中で捉えるという考え方に大きく転換したことなどを説明します。

「口腔機能向上」

講師:越田 喜規 氏
越田歯科医院院長

口腔機能向上とは、お口の働き、つまり食べること、話すこと、飲み込むことなどの機能の維持・改善を目指す取り組みのことです。
加齢や病気によってこれらの機能が低下すると、食事がしにくくなったり、誤嚥(ごえん)のリスクが高まったり、滑舌が悪くなったりするなど、生活の質(QOL)に大きく影響します。これらの課題を解決し、口から食べる喜びや、人とのコミュニケーションを長く楽しめるよう支援すること等について説明します。

「高齢者体験 福祉用具」

講師:山岡 真也 氏
まるしん福祉用具事業所

高齢者になる模擬体験は、**「高齢者疑似体験」**とも呼ばれ、専用の装具を身につけることで、高齢者の身体能力や感覚の変化を一時的に体験できるプログラムです。視力、聴力、関節の可動域、筋力、平衡感覚など、加齢に伴う変化を身をもって体感します。
高齢者の日常生活における困難や不便さを実感し、高齢者への理解と共感を深めます。
介護体験を通じて、どのような配慮や介助が必要か、また、どのような言葉がけや環境整備が有効かを学びます。福祉用具が、高齢者の生活をいかに支えているかを実感します。

「日本の福祉経営について」
事例~社会福祉法人 萬葉の杜福祉会~

講師:松谷 三和
(福)萬葉の杜福祉会 理事長

福祉施設の経営について、法人理念や利用者様の満足度とスタッフのやりがいのバランスについて説明します。スタッフは、日々変化する利用者様の心身状況について、「自立支援」をメインテーマに対応しながら、利用者様を人生の先輩と崇拝し、自らの自己研鑽のため常に成長を促す学びが必要となります。

「高齢者教育、災害対策について」

講師:松原 巖
ケアハウス万葉の杜 施設長

ケアハウス万葉の杜では、健康寿命を延ばすために、高齢者自らが予防の為に行動し、周りの人達は必要以上の介護をしないよう心がけています。また、災害に備え年に2回避難訓練と消火訓練を行い、入居者様とスタッフが共に災害時のノウハウを学びます。

「日本の自立型ホームについて」

講師:松原 巖
ケアハウス万葉の杜 施設長

生涯、その人にその人らしく生活してもらうためには、健康寿命を伸ばす事が重要です。手を差し伸べる介護ではなく、加齢により顕れる体力の低下、喪失感、認知症状を理解ながら、なるべく介護を必要としない生活を送ってもらうために、ケアハウス万葉の杜が行っている一年間の取組みを紹介します。

「日本の介護保険制度と課題」
「在宅支援」

講師:西江 大輔
朝日山ケアセンター センター長

中国の介護制度は日本ほど整備されておらず、そのため研修者からは介護制度についての質問が多くあります。中国では介護用の車はほとんどないことから、必ずニーズはあるという話を聞き、中国と日本の介護の相違点が具体的に明確となります。

「介護施設における感染症予防
・服薬管理・救命救急処理」

講師:関 千鶴子
(福)萬葉の杜福祉会 看護師

この講座では、ノロウイルスに感染した人が嘔吐した場合に、スタッフが行う処理の仕方を実際に使う道具を見せながら手順等を説明します。他にも人が倒れていた時の対応を行う等、実際の状況を想定したものを体験して頂く事を座学の主とします。また、危機状況のマニュアル作りや施設に働く者に繰り返し周知させる大切さを伝えます。

「介護施設幹部に必要なコミュニケーション、コーチング、おもてなし」

講師:和泉 麻紀
ケアハウス万葉の杜 事務長
講師:林原 おり子
朝日山ケアセンター 介護主任

この講座の前半は、人材育成のための幹部が果たすべきコミュニケーション習慣について紹介します。後半は朝日山ケアセンターでよく行われているレクリエーションを紹介します。中でも老若男女・言語・年齢も問わず誰でも楽しめる数字パズルが好評です。

「栄養」

講師:中村 伊希子 氏
管理栄養士

食品のサンプルや図を使って1日に必要な栄養素をわかりやすく説明します。中国の内陸部と海岸側では食生活は異なり、内陸部の人々は魚介類や海藻類をほとんど食さないため、内陸部の人々はそれらに含まれる栄養素が不足しがちだということがわかります。

「日本の理学療法・作業療法」

講師:中村 拓人 氏
富山医療福祉専門学校理学療法士

中国では、理学療法・作業療法への馴染みがないため、理学療法士と作業療法士の職種と、連携しながら患者に対応する仕組みを説明します。実際に行われている介護予防の体操を研修団に体験していただきながら、リハビリテーションについての質疑応答も行います。

「日本の介護の目的と介護予防」

講師:中村 拓人 氏
富山医療福祉専門学校理学療法士

日本人が、死亡に至る原因と要介護に至る原因は異なります。健康寿命の延伸のためには、要介護に至る原因への対策が必要となります。親族が要介護状態になった場合、介護者がいかなる状況下(離職、長い介護時間など)に置かれるのか説明しながら、日本の介護予防戦略について実技を交えてレクチャーします。

「高齢者健康食品、サプリメント」

講師:長澤 康宏 氏
ハッピー長澤薬局

中国では糖尿病、高脂血症が重大な社会問題となっています。それらに効果のあるとされる健康食品やサプリメントを紹介します。近年、中国では日本の健康食品ブームということもあり、日本で販売されているひとつひとつの商品を手に取っていただき、その効果や材料などを見ていただくことができます。

連携機関の協力のもとで学びます

見学や体験学習

中日青少年海洋文化
オンラインフォーラム

「中日青少年海洋文化オンラインフォーラム」は、日本と中国の青少年が、オンラインを通じて海がある地域の文化等について学び、交流を深めることを目的としたイベントです。これは、両国の次世代を担う若者たちが、共通のテーマである「海」を通して相互理解を促進し、将来的な友好関係を築くための重要な機会となります。このフォーラムは、普遍的なテーマを通じて、日本と中国の青少年がお互いの文化や考え方を尊重し、共に学び、未来に向けて協力していくための貴重な場となることを目指しています。

ケアハウス万葉の杜

案内:和泉 麻紀
ケアハウス万葉の杜 事務長

5階建ての建物の中に、居住スペース以外に、入居者様とご家族が共にくつろげるホールや図書室、大浴場等があります。高齢者がその人らしく安心して生きられる場所づくりをこころがけていることを説明します。また、高齢者宅への安否確認を兼ねた配食弁当サービスには、いつも多くのご質問をいただきます。

朝日山ケアセンター

案内:西江 大輔
朝日山ケアセンター センター長

研修団の方々は、施設内の居室や設備に注目され、中でも入浴場の機械浴に興味を示されます。特に椅子が浴槽まで動く様子を関心深く観察します。スタッフと利用者様達が行うレクリエーションの側でその意義・効果などを説明します。実際の介護現場の見学は、研修団が最も興味があり、たくさんの知識を習得されます。

体験教室「高齢者の事故防止教室」

講師:氷見警察署職員

ケアハウス入居者様と高齢者が注意すべき交通事故防止や詐欺被害防止策について共に学習します。啓発活動として、反射テープや講演後に用いた冊子を皆様に配布します。

体験学習「健康教室」

講師:中村 拓人 氏、山中 佳子 氏
万葉健康教室

機能訓練、腰痛予防、音楽療法の3つが行われ、教室に参加した方々と共に体操等を体験します。また、中国で親しみのある「北国の春」を皆で歌い身体を動かすと、研修団の方々も参加者と共に、とても盛り上がることができます。

しっかり成果をまとめ、その後はお楽しみ

研修を終えたら

研修のまとめ

最後に、これまでの研修内容の繋がりとともに、介護とは「治療・特訓・矯正すること」ではなく「安心できる居場所作り、きくこと、自分を成長させてもらえること」であることを共に確認し、今後の目標を明確にして、研修を終了します。

修了式

社会福祉法人萬葉の杜福祉会理事長の松谷三和より研修団の各人に修了書を贈呈いたします。氷見市内からも多くのご来賓からご挨拶を頂戴しながら、研修団の代表の方からもご挨拶とご感想をいただきます。最後に皆で記念写真を撮り、修了式を終えます。

氷見潮風ギャラリー

「藤子不二雄Ⓐアートコレクション」として藤子Ⓐ先生の原画や複製原画などが展示されデジタル技術を活用した「藤子不二雄Ⓐデジタルまんがスクリーン」ではまんがの世界に入り込むような体験を楽しめます。

氷見湾クルージング

船に乗り「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟した富山湾を滑るように阿尾城跡や唐島、氷見沖に設置された定置網などをゆったりと巡ることができます。海越しに3,000m級の立山連峰が見え、そのパノラマはまるで絵葉書のようで全員を魅了します。カモメにエサやりができることも。

細工かまぼこ絵付け体験

富山を代表するお土産の一つ。細工かまぼこを自分自身で自由に絵付けしお土産にすることができます。

牛屋ひみ(しゃぶしゃぶ)

「うまい肉」×「たらふく」=「幸せ」。安全で美味しい氷見牛をたらふく食べていただきたいというコンセプトの専門店で研修会の労をお互いに労います。

ぎおん祭り

江戸時代から続くこの祭りは、夏の訪れを告げるサインとなり南北に分かれて行われ威勢のいい掛け声と、優雅な笛や力強い太鼓の音色に乗って、神輿や太鼓台が町へ繰り出します。 日本独特のお祭りらしい浴衣姿や商店街に並ぶ夜店のにぎわいも味わえます。

介護事業の研修、視察受け入れいたします

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